【“1”|PROVIA】最初に惚れ込んだフジの色、巡り戻ったスタンダード
富士フイルムの画質設定には、「記憶色」と「期待色」というふたつの概念があるそうです。
「記憶色」は人が見た記憶そのものの色。「期待色」は多くの人が望む理想の色。
富士フイルムのカメラにおける色作りでは、「記憶色」か「期待色」のどちらを提供するフィルムシミュレーションを使用するのかを考えることで、好みの写りに近づくことができるでしょう。

PROVIAはフィルムシミュレーションの中でも「記憶色」を代表するカラーであり、富士フイルムのミラーレス機においてもっとも中立的な立ち位置に属するルックです。
公式も「スタンダード」だと称するくらいですから、まずはこのフィルムシミュレーションを主軸にいろんな味付けを覚えるのが良さそうです。

ぼくにとっても、はじめて富士フイルムの写真の色味に魅力を感じたのは、このPROVIAだったと思います。
自然な色でありながら、どこか透き通ったような清潔さを感じさせる雰囲気。
匂いが届いてきそうな気さえする、リアルな写り。

しかし、実際にX-T4を手に入れてからは、最初こそPROVIAを使ってみたものの、フィルムシミュレーションを切り替えるというあまりにも楽しい行為を前に、次第に使わなくなっていました。
でも時たま、ふと気になってPROVIAを使うとやっぱりいい。
期待色の傾向が強いフィルムシミュレーションを使っているととなおさら、たまに使うPROVIAが持つ自然で素直な風合いが魅力的に感じられます。

最初に惚れ込んだフジを代表する色、迷った時に立ち返る場所という意味で、このレシピには“1”という名前をつけました(名前と呼べるのか不明ですが…)。
本当のことを言えば、PROVIAのゼロ値が実際の「1」なのでしょうが、もちろん好みや作風というのがあります。
ぼくの場合、PROVIAに期待するのは素直で透明感のある写り。そして何より、富士フイルムらしさです。

Xマウントの全体的な特徴でもあるシャドウ部のシアンをより強調するために、ホワイトバランスではブルーを強めています。
さらにカラークローム・ブルーも強で入れているので、多少曇っていても爽快さを演出しやすいです。
またトーンカーブはシャドウを0.5だけマイナスに振ることで、やや軟調でありながらも十分なコントラストを維持したルックになります。
果たして、透明感のある記憶色である特徴は維持しながら、自分の好みをスパイスに加えた、ぼくにとっての“1”の完成です。

PROVIAというフィルムシミュレーションの懐の深さは、なにをどういじったところで、それなりに統制のとれた写真に仕上げます。
このレシピはひとつの基準としながら、皆さんも自分にとっての“1”を見つけてみてください。
【“1”|PROVIA】カスタムレシピ
| フィルムシミュレーション | PROVIA |
|---|---|
| グレイン・エフェクト | OFF |
| カラークローム・エフェクト | 弱 |
| カラークローム・ブルー | 強 |
| スムーズスキン・エフェクト | OFF |
| ホワイトバランス | AUTO / R -1, B 4 |
| ダイナミックレンジ | AUTO |
| Dレンジ優先 | OFF |
| トーンカーブ | H +1, S -0.5 |
| カラー | +1 |
| シャープネス | +1 |
| 高感度NR | 0 |
| 明瞭度 | 0 |

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