2026-05-26

XF 35mm F1.4を通して見ると、愛おしい人がもっと愛おしくなる

XF35mm F1.4 Rについて、このブログでまだ踏み込んで語っていないことに気づきました。

このレンズ、もはや日常に溶け込みすぎていて、わざわざ紹介するものというふうに認識できていなかったのかもしれません。

室内の柔らかい光の中で撮られた写真。換算53mmの自然な画角とF1.4のボケ表現を示す

このレンズ、改めて発売日を調べてみると2012年なんですね。

なんと発売からすでに14年経っているとのことですが、今なお現役、なんなら最新レンズに負けない神レンズです。

確かにこのレンズ。写りはそれほどシャープではありません。

富士フイルム公式の見解としても、4000万画素センサーには非対応となっていますし、ピント面の解像感を重視する写真家の方にとっては、少し首を傾げるレンズかもしれません。

でも、このレンズにはそういったスペックでは語りきれない魅力があります。

むしろ、スペックを追い求めていたらおそらくこういうレンズは生まれなかったことでしょう。

現代レンズの完璧なまでの写実性というよりは、ほどよいバランスで懐かしい空気を漂わせてくれる。そんなレンズです。

XF 35mm F1.4 Rによるモノクロポートレート。柔らかい描写と懐かしい空気感が特徴

換算53mmという画角は、家の中で使うと若干狭く感じることもありますが、ボケを作りやすいという面ではやはり魅力的な焦点距離です。

特にポートレートで使うと、「ああ、そうだった。この人と、あんな時間を過ごしたんだ」と思い返したくなる、記憶を呼び起こさせるような写りをします。

標準レンズですから、当然スナップでも使いやすいです。

サイズ感もほどよく、フードをつけても左手に収まるコンパクトさ。
特にX-T4とのマッチングは完璧です。

柔らかい雰囲気が魅力のレンズなので、基本的には開放で撮影したいものですが、絞ってもさほど切れ味を持たないところも、統一感のある雰囲気で撮影できるという点においては優秀です。

XF 35mm F1.4 Rの屋外作例。富士フイルムのフィルムシミュレーションとの組み合わせによる色再現
XF 35mm F1.4 Rで撮影したスナップ。旧設計ならではのほどよい解像感と雰囲気を示す

大好きなレンズですが、とことん気に入らないのはAF作動時のモーター音。

前玉駆動でピントを合わせるのですが、モーターがウィンウィン音を立てながらAFします。

動画撮影は論外だし、これだけオールドスタイルな写りを楽しもうとしているのに、モーター音が聞こえるとなんだか興醒めしてしまいます。

一応、実質的な後継レンズとなる33mm F1.4にはリニアモーターが採用されており、モーター音が格段に小さくなったとのこと。

しかし、この35mmの懐かしい空気感を捨てきれず、いまだにぼくはこのレンズが大好きです。

ぜひこのレンズで、大好きな人を撮ってみてください。

見返すと、その人のことがもっと愛おしくなる。
そんなレンズです。

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レンズは安くない買い物なので、一度試してから買ってみたいという人にはレンタルでのお試しもお勧めです。

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