2026-07-26

フルサイズ機は万能なのか?|多くの人にとってAPS-C機が最適な理由

カメラをはじめてから10年くらい経った頃。

就職してから数年経ってお金に余裕が出てきたこともあり、それまでずっと憧れていたフルサイズカメラデビューをしました。

買ったのはNikon Z6IIIというミドルクラスのフルサイズ機。当時カメラ単体で40万円程度でした。

さらにフルサイズ用レンズは高価なものが多いので、レンズを含めるとざっと100万円以上はZマウントに費やしたかと思います。

しかし先日、そのフルサイズシステムを手放してAPS-Cカメラに戻ってきました。

ぼくがフルサイズ機を手放した理由は、過去記事「フルサイズカメラを手放して、APS-C機に出戻りした話|家族写真に必要十分なカメラ選び」でも語っているのですが、今日はもう少し普遍的な目線で、多くの人にとってフルサイズ機が必要ない可能性をまとめたいと思います。

フルサイズカメラはなんでも写る魔法のカメラではない

そもそも、ぼくがフルサイズカメラの購入を決めた時、明確な意図はありませんでした。

ただなんとなく、「カメラを趣味でやっているのだから、フルサイズ機を持っていないと格好がつかない」といった理由で購入に至ったのが、今振り返って正直に思うところです。

フルサイズで撮影。このカメラがなければ、撮れなかった写真はたくさんあるのも事実。

当時のぼくはおそらく、フルサイズ機をなんでも写る魔法のカメラだと勘違いしていたように思います。

実際は、フルサイズはAPS-Cと比べて、特定の条件下においては画質劣化の耐性が高いものの、好条件下において明確な有利があるわけではない、というのが現実的なところです。

例えば暗所でのノイズ耐性については、やはりフルサイズ機に大きなメリットがあります。
もちろん機種にもよりますが、EV値1〜2段分はAPS-Cと比べて有利です。

あとはボケ量の大きさであったり、ダイナミックレンジや階調の豊かさであったりと、確かにフルサイズ機の方が画質に有利なことが多いのは事実です。

フルサイズカメラで撮影した写真、階調豊かで情報量が多い一枚
フルサイズで撮影。この「全部写ってる」感じはフルサイズの特権。

しかしこれらの要素は、決してどんなシーンでも重要なものではありません。

例えば明るい場所ではノイズの心配はありませんし、構図の工夫でボケ量もコントロールは可能です。
明暗差の少ない室内であれば、ダイナミックレンジや階調についてもあまり気にする必要はないでしょう。

つまり、フルサイズ機のメリットというのはいつでも発揮できるものではなく、特定の条件下において有利に働く場合があるということです。

フルサイズカメラでただシャッターを切れば、APS-Cカメラよりも綺麗な写真が撮れると思ったら大間違いです。

ここを勘違いしてフルサイズ機を購入してしまうと、APS-C機を使っていた時とあまり違いを感じられずにがっかりすることになるかもしれません。

APS-Cカメラで室内撮影した写真、ダイナミックレンジは必要十分
APS-Cで撮影。結局室内だと、広いダイナミックレンジは必要ない。

フルサイズ機はオーバースペックになりがち

とはいえ画質面で有利になることは事実。

ということであなたは、例えばより広いダイナミックレンジを求めて、今手持ちのAPS-C機からフルサイズ機に乗り換えたいと思ったとします。

この時、本当ならセンサーサイズさえ大きくなれば、あとの機能は全て今までのAPS-C機と同等でいいと考えているとしましょう。

動体を撮るわけではないので、連写やAF性能はほどほどでよく、防塵防滴や手ぶれ補正もいらないとあなたは思っています。

しかし実際には、そのようなカメラはほとんど存在しません。

各社フルサイズ機になると、防塵防滴や手ぶれ補正は当たり前のようについているし、連写やAFについても最新のプロセッサーを活用した高次元の機能を搭載した機種ばかり販売されています。

フルサイズカメラのエントリークラスでも撮れる高機能な一枚
フルサイズで撮影。こういう写真が撮れる機能が、一番安いクラスでもついてくる。

これが意味するのはずばり、フルサイズカメラは多くのユーザーにとってオーバースペックになりやすいという事です。

例えば夜間の建築撮影をメインに行っており、高ISOでのノイズを抑えたいと考えてフルサイズ機を買ったとします。

建築撮影なので、カメラに必要な機能としてはノイズ耐性くらいのものです。

しかしそのノイズ耐性を求めてフルサイズ機を買おうとすると、本来は必要ないAF性能やら連写性能やらの機能が充実した、想定よりも高いカメラしかないのです。

APS-Cカメラで撮影したノイズがあっても実用的な写真
APS-Cで撮影。ノイズが多少あっても、値段を考えれば十分実用的。

もしかしたらこの時の最適解は、APS-Cカメラのままもう1段明るい単焦点レンズを買うことかもしれません。

本来不要な機能をマシマシにしたカメラに余分なお金をかけるよりもスマートな解決策はないか、いろんな視点で考えることが重要です。

撮影スタイルが変わると、許容できる重さも変わる

最後にお伝えしたいのが、フルサイズカメラの重さです。

センサーサイズが大きい分、カメラの筐体も大きくなる。よって、カメラの重量も重くなるというのは、フルサイズカメラに興味を持っている人ならすでにご存知のことかと思います。

APS-C機からフルサイズ機に乗り換えようとしている方であれば、カメラの重量を比較している方も多いのではないでしょうか。

APS-Cカメラは軽量で気軽に持ち出しやすいことを示す写真
APS-Cで撮影。気軽に、いつでも持ち出しやすいのは大きなメリット。

ここで忘れてはいけないのが、レンズの重さです。

フルサイズカメラはそのイメージセンサーの大きさ故に、レンズも大型になりやすいです。

特に同じF値のAPS-C用単焦点レンズと比較した場合、二倍近くの重量になることも珍しくありません。

実はカメラそのものの重量よりも、レンズの重量の方が嵩張ることもあるのです。

重量のあるフルサイズ機材一式を持ち出していた頃の装備写真
こんな装備で撮影していたこともありました。

さて、機材の重さについてはもう少し考えなくてはいけないことがあります。

ぼく自身、2kg越えの装備を手に持ちながら山道を走り回っていたこともありました。

フルサイズカメラに超望遠レンズをつけて、野鳥を探したり飛行機を待機したりしたこともあります。

全て子供が産まれる前の話です。

子供が産まれてからは、ひとりで撮影に行く時間の余裕など全くありません。

ただでさえ荷物が多い育児中に、重いフルサイズカメラを持ち運ぶことも次第に億劫になってきました。

ぼくの場合、そんな流れでフルサイズ機の使用頻度が減ってきて、結果的にはAPS-C機に戻る決断をしたというわけです。

APS-Cカメラで撮った気軽な家族写真の自撮り
APS-Cで撮影。気軽に家族で写真が撮れるのが、今は一番大事。

ぼくの場合は子供がきっかけでしたが、他にも興味のある被写体の変化や体力の衰えなど、撮影スタイルの変化は誰にでもあり得ます。

撮影スタイルが変化した時に、許容できる機材の重さも変わるということは、意識した上で機材選びをするべきかもしれません。

まとめ|APS-Cじゃダメな理由を明確にしよう

ということでぼくの場合は、家族写真が主体となった際、広いダイナミックレンジも高速連写も、重い機材も必要ないと考えてAPS-C機に戻ってきました。

そしてぼくが思うに、趣味でカメラを扱う人の多くがぼくと同じように、フルサイズ機の特徴のほとんどを必要としていないのではないでしょうか。

もちろん、最高画質で野鳥やスポーツを撮りたいといった人や、見たままの階調を損なわない風景写真を撮りたいといった人にとっては、フルサイズカメラは必須級の機材になるでしょう。

しかし多くのアマチュア写真家は、もっと手前のところで限定的なニーズを持っているのではないかと思うのです。

もし自分は違うというのなら、自信を持ってフルサイズ機を買ってください。

ただもしも、ぼくの話の中で少しでも共感できる部分があれば、ぜひフルサイズデビューは慎重に。

まずは、APS-Cカメラじゃダメな理由を明確にしてみることをお勧めします。

フルサイズかAPS-C、どちらで撮った写真でしょう?

なお、機材選びで迷ってなかなか決断できない方は、一度レンタルで試してみることをお勧めします。

特に重さやRAWデータの扱いなどは、実際に一日中撮影に持ち出してみないとわからないことも多いので、ぼくも使っているGOOPASSのレンタルサービスを活用してみてください。

📷 GOOPASSでレンタルを試してみる

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です